いろいろと思うことがあり、noteとZennのアカウントを削除して、Obsidianに移行した。

元々私の書く文書はわりとニッチ向けと認識しているので、幅広い層に見てほしいというよりかは必要な人に届けばいいと考えているので、こういう形となった。

経緯

Qiitaの凋落

日本における技術文書プラットフォームとしては、2011年に誕生したQiitaが長らくシェアを獲得してきた。私も記事をいくつか投稿していたが、いつ頃からか、あまり楽しめない雰囲気になってきたので辞めた経緯がある。大まかな理由はこうだ:

  • 当時はマサカリ文化が是とされており、殺伐としがちであった。
  • 新規の参入に伴ってポエム・憶測・日記が増え、全体的な質が低下した。
  • ポジショントークや企業内のノルマとしての記事投稿が増えた。

2024年においてマサカリをする人間はそれほど見なくなった。流石にほとんどの人は顔も知らぬ他人とのコミュニケーションにおいて、正しさを盾に攻撃的な指摘をするのは人間性を疑われることを感じ取ったのだろう。とりわけ2015年に起きたWall of Hair事件では多くの人間が疲弊したのもあり、反面教師としてマサカリ行為は減少したように思う。

コミュニティの宿命でもあるが、最初は知識人がいて面白いことをするのだが、それを見た素人がやってきて、その素人をカモにしようと企業がやってくる。素人も全員が悪いわけではないが、知識人の中で共有されていた暗黙の了解を崩してしまう。とはいえ運営も表現の自由は認めないといけないところなので、頭の痛い話である。

すると素人が素人なりに出力したポエムや日記、個人の憶測、出典元がない怪文書の類が増え、なにが正しいのかさえわからなくなってくる。読み物としては面白いかもしれないが、時間をかけてまで得るものがなにもないし、問題解決のためであればstack overflowで十分事足りる。

最後には企業がやってきて申し訳程度の記事を書いて自社サービスに誘導したり、採用活動を始めたりする。おもちゃが本体の食玩みたいなもので、投稿の内容は実に薄っぺらい。これは企業側の事情もありサービスの内容については詳しく書けないところもあるので難しくはあるが、それだったら自社ブログでやればよろしい。

こうしたいろいろにうんざりしてQiitaを辞めてZennに移行した。しかし今やZennもQiitaと同じ失敗に向かいつつある。

ZennがQiitaになりつつある

2020年にはZennが登場した。Zennはポエムに溢れてしまったQiitaの失敗を踏まえて、TechとIdeaといった記事種別を設定することによって技術文書とポエムの棲み分けをした。最初のうちはこれが十分に機能しているように見えた。

しかし、これも長くは続かなかった。企業アカウントを作れるのはZennの方針でもあるので仕方ないが、2023-2024年には急速に企業が参入してきてQiitaの項で書いた状況になってしまった。個人でもときおり目を引く攻撃的な内容を投稿してインプレッションを稼いでビジネス動線に繋げることも見られる。

また、純粋な技術文書が評価されることもなくなってしまった。時代の流れの影響からか、技術だけでは限界があり、それによるビジネスが優先されるとか、そのためのコミュニケーション能力やキャリア形成が重要になってきたということは否定できないが、サービス開始の頃からすると、少しずつコミュニティの話題の軸が動いてきているような印象を受けて、私個人としては居場所はここではないと感じるようになってきた。

noteは悪くない

noteはプライベートやゲームのことなど、技術以外で投稿したい話題があったときに利用していた。Zennを辞めるならnoteに統合する選択肢もあったが、noteに技術的な話題を投稿するのは気が引けるし、あくまでも文章を投稿するためのプラットフォームなのでコードや数式を載せることに向いていないし、無理にそんなことをすればあとで管理が面倒になってしまう。

それならObsidian Publishのように自分の書きたいことを自由に書けるプラットフォームがいいなと考えた。元となるMarkdownは自分のローカルにすべて保存されているし、Obsidianがサービス終了してもほかのサービスへの移行が簡単にできるので、今の自分には最適だと考えている。

なのでnoteは悪くないし、私の用途とは一致しなかっただけだ。

Obsidian Publishへの移行

Obsidian自体は無料だが、ホスティングサービスであるObsidian Publishを利用すると年契約の月額で$8かかる。この手のサービスとしては高いように感じられるが、エディタとしてのObsidianも悪くないし、Publishも見た目が優れているので、今日からはこれでいろいろ書いていきたい。

内心、個人サイト時代に戻ったような感じで少しワクワクしている。気分はQiitaやZennという文明が滅んで砂漠の岩窟で過ごしている隠者の気分だ。

惜しむらくはCloud Flare以外で独自ドメインが設定できないことで、Amazon Web Servicesとの統合ができるようになれば完璧である。