ボリュームは少ないがそれでも楽しい
幼馴染が初代ゲームボーイでプレイしていて、そのカートリッジを借りたのが夢をみる島との最初の出会いだった。当時は人の話を聞かない子供だったし、ゲームも今ほど親切になんどもヒントをくれるような設計にはなっていなかったので、今プレイすると一本道だなあと思える迷いの森の謎も解けず、メーベの村や海岸を行ったり来たりして無限に草刈りをして雑魚モンスターを殺戮してまわったことが懐かしい。そして弓矢を買うための980ルピーを稼ぐことができず、窃盗に明け暮れていたので、セーブスロットはぜんぶ「どろぼー」だった。
2019年に発売されたNintendo Switch版ゼルダの伝説 夢をみる島はゲームボーイ版とゲームボーイカラー版のほぼ忠実なリメイクだ。追加要素こそあるものの、原作のバランスを壊さない程度になっているし、当時の体験がそのままに思い出される。夢をみる島DXの服のダンジョンも含まれているので難易度は易しめになっている。防御力を高める青の服の効果は強力で、あらゆる被ダメージを半減してくれる。
リメイク版が発売されたころに一度プレイしたが、エンドコンテンツまでプレイすることなくクリアしたところで辞めてしまったので、また最初からやり直してみたくなり始めてみたものの、秘宝伝説Sa・Ga2よろしく、昔のゲームはひとつのイベントがそれほど長くない上に、継ぎ目なく次から次へと新しい舞台へプレイヤーを誘うのでやめどきを失う。あれよあれよという間に3日ほどプレイし続けてクリアに至ってしまった。
アイテムのバランスがいい
この夢をみる島の特筆すべき点はアイテムの種類がおよそファンタジーRPGに必要な要素をすべて盛り込んでいるところだ。
最初は剣と盾による基本的な戦闘の立ち回りを教えられる。剣で雑魚狩りと草刈りはできるが、道具屋でスコップを買えば発掘もできるようになる。ネボケタケをオババに渡せば魔法の粉を作ってもらえて、敵を変化させたり、オブジェクトに対してなんらかの魔法的効果を与えたりできる。そのうち店に並ぶ爆弾は言うまでもなくRPGの超優等生だ。爆発が嫌いな人なんていない。
遠距離攻撃が欲しくなってくるころには道具屋で弓矢が売られている(が、今回はほぼ使わなかった)。遠距離攻撃は残弾管理が必要なので、私のように残弾を気にして戦うことが嫌いな人もいる。そこでブーメランだ。ただし、弓矢ほど攻撃間隔は短くないし癖もある。
ブーメランはなんらかの武器と交換して手にいれることになるのだが(あとで交換したアイテムは買い戻すことができる)、ここに取捨選択の楽しみもある。ちなみに私は弓矢と交換した。爆弾弓矢は健在だがマスタースタルフォンを瞬殺できなくなっているようだ。
マジックロッドは武器としては弓矢やブーメラン、道具としては魔法の粉による灯火の上位互換とも言える存在で、エンドゲームのアイテムとしての立ち位置だが、完全に互換性があるわけでもないところがよく練られている。
ボスの倒し方も謎解き
久しぶりにプレイしたのもあって、一部のボスの倒し方を忘れていた。いくつか分かりにくいものもあり、顔の神殿の鍵を入手するために戦うボスがヒントなしで苦戦したのと、カメイワのボスの弱点が直感に反するところ以外はなんとかなった。
ヒミツの貝がら
こんな小さなワールドに50個もあるのが不思議なくらいだが、今回は全部集めることができた。ゲームボーイ版だと20個でコホリントの剣だったので20個で喜んで貝がらの館に行ったら「貝がらセンサー」なるものを寄越してきたのでちょっと残念だった反面、これも悪くないと感じた。
貝がら40個で念願の剣が手に入ったが、これもエンドコンテンツ的な武器で、大抵のモンスターは一撃で屠れるようになるし、体力満タンなら剣先からソードビームも出るので冒険が楽になる。
ミニゲーム
ゲームセンターのUFOキャッチャーが物理演算になっているところは評価したい。タイミングさえ合わせればほとんど一回で獲得できるし、基本的な難易度は高くない。ただし、エンドコンテンツのパックンフラワーとワンワンのフィギュアは形的にかなり難しく設定されている。釣り堀はほぼ変わらない。
新しい要素としてダンペイの小屋ではパネ石なるものを使って、ゲーム内に登場するダンジョンマップを繋ぎ合わせて自作のダンジョンを作成・冒険できる。このミッションがヒミツの貝がらやハートのうつわの獲得条件にもなっているのでプレイせざるを得ないのだが、時間もかかるので結構苦痛である。
UIの改善
ゲームボーイ版ではボタン数の都合上A, Bボタンにしかアイテムを割り当てることができず主武器の剣も外せたが、Switch版ではX, Yボタンも使えるようになっているので、Bボタンが剣攻撃、Rボタンが盾防御で固定となっている。X, Yの2枠は好きなアイテムを割り当てられるものの、ジャンプができるようになるロック鳥の羽根が便利すぎるので、ほとんどの時間Yボタンに割り当てていた。
総評
ストーリーとしてはゲームボーイ版そのままなので、税込¥6,578というフルプライス価格帯での販売は厳しいものがあるかもしれないが、今風に再構築したらこうなるだろうというイメージをかなり忠実に再現できているし操作感も悪くない。ただでさえ面白かったゲームが進化したグラフィックで見通しもよくなり、より楽しめる作品になっているひとつの好例と言える。