コロナ禍以降、どの店舗でもセルフレジやセミセルフレジが増えてきており、支払いのほとんどを自動釣銭機で行うようになってきた。よく通う大手スーパーマーケットはもちろん、飲食店も本屋も雑貨屋だってそうだ。いまだに手渡しで金を扱っているのは病院か、個人経営の店くらいだ。

自動釣銭機はすばらしい

自動釣銭機の支払いはとにかく楽だ。紙幣を何枚か入れてあとは財布の中の小銭を全部投入すると、最適な形になるように両替してお釣りを出してくれる。最初のうちは5円のお釣りになるように…などと考えていたが、今や馬鹿馬鹿しくなってきて小銭を全投入している。

世の中はどんどん便利になるし、人間はどんどん馬鹿になっていくなあと思いつつ先日もスーパーでジャラジャラと硬貨を投入したところ、1枚だけエラーで返却されたものがあった。昭和63年の500円玉だった。

これを使うのに苦労した。しらばっくれてラーメン屋に行って出したら、やっぱりそこもセミセルフレジを導入していて「使えませんねェ…」などと言われて突っ返されるし、別のスーパーに行っても同じ対応だった。結局3店舗くらいで同じ対応をされて、最終的にはどうだったか、どこかの個人店で使ったような気もする。いや、素直に銀行にいけばいいのだが、そのためだけに銀行に行くのもなんだか癪だ。

PayPayでもなかろうに、天下の日本銀行券が使えないとは何事か。これでは貨幣価値のないただのニッケル黄銅ではないか。

店側の言い分はわかる

店側からすれば、自動釣銭機でエラーになる紙幣や硬貨は受け取らない対応にしたほうが安心である。偽造品を弾けるし、それを受け取ったことによる損失を防げる。また、自動釣銭機も疑わしきは受け取らず、に則っているのだろう、それは致し方ない。

私も接客業をしていたときにオリンピックの1,000円記念硬貨を支払いに使われたことがあるのだが、真贋が判断できないので本当にやめて欲しかった。客は「これ本物なのよ、使えるのよ」と言うし、私も存在は認識していて客を疑うわけではないのだが、もう銀行に行けとしか言えない。あのときは本当に困った。

また昭和63年だ!

今日もいつの間にか財布の中に昭和63年の500円玉が紛れていて、釣銭機を通らなかった。お前は捨てても戻ってくる呪いの人形か。

出かけた道すがら本屋に寄ったので、ちょうどいいと思い、そしらぬ顔でその500円玉を出した。店員の手元を注意深く観察していたら、やっぱり弾かれたようだったが、そのまま滑らかに慣れた手つきで手動入金していた。なんだ、できるんかい。