20250223_雅な言葉にもあるように、年末に祖母が亡くなり新盆であったので、菩提寺からお施餓鬼法要のお便りがきた。お施餓鬼とは飢えに苦しむ餓鬼道の霊魂に施しを与えるための供養のひとつで、供養をして徳を積む行為だそうだ。宗派にもよりけりで、お施餓鬼法要がないところもあり、自分にとってははじめての経験だった。
昨今は皆いそがしいので、一族全員が出席する必要もなく、都合がつく人間が向かえばいいということと、母が人生で一度は経験したほうがいいというので、施主の伯母とふたりで寺に向かった。
パープル坊主とグリーン坊主
寺に着くと開始15分前ほどになっていて、参加者のほうでは遅めの方だったのか、すでに総勢30人ほどの参加者が来ていた。住職が現れて鐘が鳴ったあとに脇導師が13人来ると言うので、10分ほど待っているとぞろぞろと導師たちが現れた。どこからそんなに坊主を引っ張ってこられるのか。タイミーじゃあるまいし。緑の法衣と紫の法衣の坊主がいて不思議に思ったのだが、緑のほうが若そうに見えたので、おそらく坊主ランクを示すものだろう。年齢も30前後のように見えた。
施餓鬼会(せがきえ)が始まると、脇導師からひとりグリーン坊主が出てきてなにやら難しい言葉を唱える。まだ若いのか声に張りと重さが乗っておらず、やっぱり坊主は声だなと感じさせる。おそらく修行中の身なのだろう、自分の寺から行ってこいと言われてやってきたのかなとも想像する。
次もグリーン坊主、その次はパープル坊主に入れ替わりなんやかんや唱えていく。その後は導師全員あわせて「ア~~ア~↑ア~↓ア~」と坊主のアカペラセッションが始まった。すごい。こんな法要見たことないぞ。祖母の供養に来たのに坊主の合唱に興味が移ってしまい非常によろしくない。
説教
1時間ほどで供養が終わり、住職からお施餓鬼の理由と意味、先祖供養の考え方を教わる。どうみても位が高いスーパーエリート坊主なのに口やかましいことを言わないし、「卒塔婆を振り回してはいけませんよ」と時事ネタを絡めた冗談も言うので、幾度お会いしても雅な人と思わされるのにも関わらず、それでいてとっつきづらくもない。よくできた方だと感心する。
なにか続きの催しがあるのかと思いきや、あっさりとしたもので、卒塔婆とお供物と弁当を受け取ってお帰りくださいということで、その足で墓地まで行き、卒塔婆を差して帰路についた。
両親に報告
両親に報告がてら実家に寄り、いただいた弁当を食べながら「すげえなアレ」と話して、人生初お施餓鬼を終えたのであった。いや、宗派や檀家にとってはただの恒例行事なのかもしれないし、これによって自分の中のなにかが大きく変わるわけではないが、人生で経験してみてよかったことのひとつには入るだろう。