バイオハザード レクイエムの発売記念で、通販で有名な夢グループとのコラボ企画動画が公開されたのだが、ただのコラボ動画ではなく、興味のない人に対してもわかりやすく要点や魅力を伝えることができていて、プレゼン資料としてもかなり質の高いものとなっている。
バイオハザード レクイエムはなにがすごいのか?
主旨は何か?
まずゲームの主旨を述べて、なにができるのかを一気に説明している。それによれば、バイオハザード レクイエムは、
- ゾンビが襲ってくる
- 逃げる
- 倒す
- 謎を解く
らしい。結論としては「頭と体を使う」ゲームということがたったの10秒で伝わる。加えてなぜこのゲームなのか?に対しては「日々の生活に刺激と恐怖」を与えるためという動機を示している。
最初のわずかな時間で何を伝えるべきかは非常に重要で、要点を示さず、細かい背景から説明して一向に本題に入らない話しかたをする人もいるが、そんなことをすれば次の瞬間に飽きられて、「早くこの話終わらねーかな」とか思われてしまうし、本題に入ったころには主旨がなんなのかが曖昧になってしまっている。ましてや「そんな背景があるならその結論にならんやろ」といった余計な議論にもなりかねない。それだけ要点を先に述べることは重要である1。
なにをすればいいのか?それは簡単か?
プレイヤーはこのゾンビが襲ってくるという恐怖に対してどう立ち向かえばいいのか?答えは単純明快で「照準を合わせてボタンを押す」だけだ。それだけで、どんどんゾンビを倒せるので怖いだけでなく、爽快感も同時に得られるとしている。「〇〇するだけ!」というのはITサービスでもよく見る煽り文句だが、それと同じだ。とにかく課題解決方法をシンプルに伝えて難しくないことを強く押し出している。
しかし、ゲームであるからには値段相応のボリュームも要求される。数多くの謎解きやアクション要素によるやりごたえを魅力としつつも、中にはどちらかが苦手か、あるいはゲーム自体をプレイしたことがなくその両方が苦手な人もいるだろう。そこに難易度設定という救済策を用意しているので、初心者でも遊びやすいことを強調している。課題解決も簡単で初心者でも遊べるとなれば自然と新規プレイヤーを取り込むための裾野は広がるし、合いの手で「初心者でも遊びやすい」と繰り返すことによるトートロジー的手法を用いている点もよく練られている。
なにがスゴいのか?
ここで直接カプコンの開発者が登場することで、通販番組特有の胡散臭さを掻き消し、通販事業者だけでなく中の人が考えているホラーとアクションの共存という作品の魅力も同時に伝えられている。開発者が登場することによる信頼性や透明性の担保は非常に重要だ。
そして説明はより具体的になり、ゲーム体験の話に移っていく。コアゲーマーやこれまでのシリーズをプレイしてきた人も気になっているであろう誰を操作してゾンビを倒すのか?視点切替えはできるのか?ファンサービスはあるのか?ビジュアルの美麗さといった主たる想定質問を一気に解消している。
最後にこのコラボ限定の「夢ぶら下がり健康器」を付けた「恐怖の悪夢セット」の解説に繋げる。ゲームプレイで強張った体をほぐすという理由を提示して、単なる抱き合わせでなく追加の価値提供であることを示せている。まあ、それでもぶら下がり健康器はいらないが。
ネタ動画ではあるがそれでも
私も普段は通販番組を「在庫処分品に理由をつけて情弱に売りつける商売」と考えているが、その説明力や納得感を与える手腕に関しては今回のバイオハザードの動画で考えを改める結果となった。会社におけるプレゼンでも極めて有効な手法で、新しいシステムの利用や導入を渋る相手に対する説明や交渉材料としても十分通用するものだ。いや、夢グループおそるべし。
Footnotes
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あとから論理の積上げ方がおかしいと言われることもあるが。 ↩