ボットを作ることが目的ではない

Discord用のボットを作りたいと思ったなら、そのボットを導入することに価値を見出していることになります。単純な例ですが、「お手」と投稿したらボットが「ワン!」と投稿するような単純な機能であってもです。

見知った人だけが参加するプライベートなコミュニティにおいては、ボットの存在そのものに価値があるかもしれません。愛玩ロボットペットさながらみんなの興味を引く応答をしたり、簡単な占いができたり、たまに不具合があって動かないことによってみんなの笑いを誘ったり、ちょっとした賑やかしツールとしての役割を期待されていたりすることもあります。

しかし、ボットにはその語源の通り、人間の代わりに何かを自動化してくれるということに価値があります。人間にとっては面倒なことをボット任せにすることで、サーバーに参加している全員のコミュニティ体験がよくなりますし、もしそれが一般化できるのであれば、特定のコミュニティの域を超えた価値を提供できます。

一方でやり過ぎには注意しなければなりません。開発者は作ることそれ自体が楽しくなりがちで、本人にとっては面白い機能をつけたがります。作った人だけが楽しい自己満足の産物にならないようにボットの目的を明らかにすることで、この誘惑から遠ざかりましょう。

  • ボットで何かを自動化して便利にしよう
  • ボットの目的を明確にしよう

足りないものを探そう

求めているものが既存のサービスで実現できるのであれば、それを使うべきです。すでにあるサービスは洗練されていますし、自分で管理する必要もないからです。なにかを作って運用を始めると要望や批判も出てきますが、そのために時間を割く必要もありません。

一般的に提供されているサービスは自分たちの課題をそのものズバリ解決してくれるものではないことがほとんどです。なので、仕方なく自分たちがそのサービスに合わせることでその価値を得ることになります。しかし、それに煩わしさを感じるようであれば、そこが足りないと感じていることかもしれませんし、新たな価値創出のヒントにもなり得るでしょう。

  • 既存のサービスを探してみよう
  • 現状で満足できないことはなにか考えてみよう

独自の強みを作ろう

作ったら面白いと思ったものだとしても、競合が多く、参入しても実りがない状況をマーケティング用語でレッドオーシャンと呼びますが、そのような環境でシェアを伸ばしていくことは困難でしょう。広告宣伝がよほどうまいか、競合を超える圧倒的な利点を備えていない限りは、使ってもらえたとしても身内の範囲に留まってしまいます。

市場を調査した結果、競合が少なければ参入する余地はあると言えますし、競合のサービスレベルが低い段階にあれば、単純に競合よりも優れたサービスを提供すれば優位に立てます。そうでなければ、競合にはない独自の強みをぶつけることで同じ土俵に立てます。あるいは理念や哲学を掲げることで、ユーザーの共感を得ることもできるでしょう。

  • 競合を調査しよう
  • ほかにはない強みを作ろう

コピー品は悪くない。だけど…

我々は資本主義の自由競争社会にいるので、ある商品が発売されると類似品やコピー品が出回るのは世の常ですし、二番煎じが元祖よりも売り上げを伸ばすことも往々にしてあります。

これ自体は悪いことではありません。コピー品が生まれるとそこに競争が生まれ、サービス品質の向上や価格競争が起き、選択肢が広がります。ユーザーの乗り換えを狙って、お互いにある程度の互換性を保ちつつも、競合と差をつけるための便利な拡張機能が生まれることもあります。

ところがまるっきりのコピー品を作ったり、行き着くところまで行って業界が煮詰まってしまったりすると、最終的には価格面の戦いになります。今や世界的に物価高の時代なので、ユーザーはなるべく安く、あわよくばタダで利用したいと考えていますが、タダほど高いものもありません。

なぜならサービス提供者はその対価として収益を得て、そこからサービスを維持するためのインフラにお金を支払っているわけなので、収支のバランスが取れなくなればサービスは提供終了の憂き目にあい、ユーザーは不便な時代に逆戻りといった双方にとって不利益な状況を招くことになります。そして一度そうなったら「応援していたのに!」と言っても後の祭りです。

  • コピー品を作るなら競合よりもいいものを作ろう
  • 自分の利益だけを考えていないか確認しよう

ユーザーに価値を伝える

どんなにいいものを作っても人の目に留まらなければ意味がありませんし、パッと見て価値を感じられなければ使ってもらえません。プレゼン資料までは必要ありませんが、画像を交えた簡易的な説明資料を公開すると、視覚的に機能を伝えることができます。百聞は一見にしかずとは言ったものです。

説明ではなるべく自分の文脈で語ったり、専門用語を多用したりということは避けるべきでしょう。詳しい人に対してはそういう言葉を使っても伝わりますが、新規参入者にとっては難しく、訴求できなくなってしまいます。もし身近に素人がいれば、その人に資料を見せて率直な意見を貰ってもいいかもしれません。

また、ありきたりの方法ですが、SNSアカウントや公式サイトを作成して情報発信していくことは、それ自体にも効果がありますが、情報源があることで投稿の共有や拡散がしやすくなる利点があります。

  • ユーザーにわかりやすく価値を説明しよう
  • 公式SNSアカウントや公式サイトを作って共有しやすくしよう

第3回 技術選定