最近ではSaaSも進化してきていて、サーバーやネットワークの設定なしに、プラットフォーム上でコードを書けばそこからデプロイできて、本番環境で実行できるサービスが登場してきている。ReplitやRailwayはその筆頭で、サーバー環境を意識することなくコードを実行できる点は魅力的である。

いっぽうで近年はビジネス主義が加速して、これまでフリーライドしてきたユーザーからいかに利用料を徴収するかに考え方が移行しつつある。アプリ実行プラットフォームももれなくその傾向にあり、個人で少し手を出してみたいという用途に応えられなくなってきているように感じるが、実際どのような状況にあるかを2025年11月現在まとめたものがこの記事である。

サービスの種類にもいくつかあり、調べた限りでは次の3種類のようだ。

  • 常時起動できるサーバー環境を提供するもの
  • コードを実行するサーバーレス(関数)環境を提供するもの
  • クラウド上でのデバッグ環境を提供するもの

私はAWSを契約していてサーバーレス環境はあるし、クラウド上でデバッグできる必要もないので、最初に挙げたサーバー環境を提供するものに限り調査してある。

プラットフォーム

Render

プランと料金はPricingから確認できる。Web ServicesのFreeプランが0.1vCPU / 512MB Memで実行できるものの、15分で実行が停止する。再起動にはしばらくかかるので、使われない場合も困るし、ある程度使われると性能的に厳しいのでお試し用と言える。

  • Hobbyプラン (無料)
    • 1プロジェクトまで作成可能
    • 100GB/月までの通信
  • Professionalプラン ($19/月)
    • 無制限にプロジェクトを作成可能
    • 500GB/月までの通信

Replit

プランと料金はPricingから確認できる。アプリケーションを常時稼働させておくには実質月額$20(年間契約の場合)であるReplit Coreプランに契約しなければならない。これは最低クラスのAWS Lightsailのサーバーが4台起動できる金額と等しく、個人開発が活発かつある程度の規模で行われている状況でないと旨みがない価格設定といえる。

  • Starterプラン (無料)
    • 10プロジェクトを作成可能
    • 公開プロジェクトのみ
    • 常時起動に制限あり
  • Replit Core ($20/月)
    • 常時起動可能
    • 非公開プロジェクト作成可能

Railway

プランと料金はPricingから確認できる。vCPU, メモリ, ストレージの利用時間に応じて料金がかかる。例えばHobbyプランで1vCPU 1G Memの場合には月額5 = $25となるが、実際に使用したリソース分だけの請求になるので、これより安くなる可能性はある。したがってネイティブアプリをデプロイしたほうが得。

Serverlessモードにも対応していて、10分間の通信がない場合に自動的にスリープ状態になるが、HTTPサーバーやデータベース接続等によってアプリケーションとの通信が発生している状況ではスリープにならない。再び起動する際にはコールドスタートとなるので、アプリケーションがレスポンスできるようになるまでには時間がかかる模様。

  • Freeプラン (無料)
    • 1のクレジット
    • サービスごとに1vCPU / 0.5G Mem
  • Hobbyプラン ($5/月)
    • サービスごとに最大8vCPU / 8G Mem
    • 月ごとに$5のクレジット

総評

まともに利用しようとすると月額$20程度の費用が発生するように調整されていて、それはどのサービスも横並びである。無料プランを用意しているところもあるが、性能不足感は否めず、連続稼働もできないようになっているので、「あまり使わないけど常時動かしておきたい」みたいな用途には利用できない。

同時に動かすサービスが数的にも規模的にも多くなければ、LightsailやさくらのVPS等のVPSサービスを使ったほうがいいかもしれない。

月額$20という価値

これは各社VPSサーバーの最低ランクの月額費用が500円程度であることから、大体VPS3~4台分の価値があると言える。上記のマネージドプラットフォームでは月額$20支払うことで作成できるプロジェクト数が無制限になるものの、VPSを4台以上活用する以上の働きがないとコストに見合わない結果になる。

検討にあたっては次の観点に従うといいかもしれない:

  • サーバーにSSHログインをしたくない
  • サーバーを安定運用する知見がないか、雑に安定稼働させたい
  • サービスやジョブをアプリケーションごと独立して管理したい (3~4アプリ以上)
  • 安定した収入源や資金回収できる当てがある