ユニタリ行列
例1.12
A がユニタリ行列のとき AA∗=E より、
det(AA∗)=det A⋅det t(A)=det A⋅det A=det A⋅det A=∣ det A ∣2=1
よって ∣ det A ∣=1 になるが、det t(A) を det A にできるのは転置しても行列式の値は変わらないからである。さらに行列式は和と積の組み合わせで表現できることと、複素共役の性質 a+b=a+b や a⋅b=a⋅b があるので det A から det A とできる。
複素共役の性質
x=a+bi, y=c+di とすると、
x+y=(a+c)+(b+d)i=(a+c)−(b+d)i=(a−bi)+(c−di)=x+yx⋅y=(ac−bd)+(ad+bc)i=(ac−bd)−(ad+bc)i=(a−bi)(c−di)=x⋅y
なので、複素数のまま計算して複素共役にしても、複素共役で計算しても結果は同じになる。
直行行列・ユニタリ行列
定義1.25 (前編)
f の表現行列を A=[a1,a2,⋯,an]=[aij] とすると、ベクトル x と y は、
xy=x1e1+x2e2+⋯+xnen=x110⋮0+x201⋮0+⋯+xn00⋮1=y1e1+y2e2+⋯+ynen=y110⋮0+y201⋮0+⋯+yn00⋮1
と表現することができる。これらの値を直交変換の式に当てはめてると、f は線型写像 f(a)=Aa なので、
(f(x),f(y))=(x1Ae1+x2Ae2+⋯+xnAen, y1Ae1+y2Ae2+⋯+ynAen)=(x1a1+x2a2+⋯+xnan, y1a1+y2a2+⋯+ynan)=i=1∑nj=1∑nxiyj(ai,aj)
となる( x1,x2,⋯,xn と y1,y2,⋯,yn はスカラーである点に注意)。2段目の変換は、
Aei=a1a2⋯anδ1iδ2i⋮δni=δ1ia1+δ2ia2+⋯+δnian
であるからで、i=1 のときの例を出して、もっとわかりやすく書けば、
Ae1=a11a12⋮a1ma21a22⋮a2m⋯⋯⋱⋯an1an2⋮anm10⋮0=a11+a12+⋯+a1m=a1
なので、Aei=ai とできる。そしてこれは内積を展開した形と等しいので3段目を得る。
定義1.25 (後編)
前編の結果が直交変換となるには以下の式
(f(x),f(y))=i=1∑nj=1∑nxiyj(ai,aj)=i=1∑nxiyi=(x,y)
を満たす必要があるが、視察により、i=j のときにのみ xiyj だけが残ればいいので、 (ai,aj)=δij である必要があるが、内積の定義より
(ai,aj)=k=1∑nakiakj (=δij) (1.51)
となる。これを AB の内積の定義と見比べてみる。B=A∗=t(A) であれば、
AB=[ k=1∑nakibjk ]=[ k=1∑nakiakj ]=AA∗
とできるが、式1.51は AA∗=E を示している。